先日、(私の大好きな)女優の石田ゆり子さんがインスタグラムに投稿した発言が炎上したと報道されました。
簡単に言うと、「服を見たいので、ふらーっと店に入ったら、店員さんと波長が合わなかったから正直な気持ちを呟いた」ということ。
ネットでは賛否両論ですが、実際問題少なからずとも同じような経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
私はあります。
アパレル店員に限らず、家電量販店店員もそうですが、特に何か買おうと思って商品を見ているのではなく、ただ何となく眺めているだけなのに、
「お探し物は何ですか?!」
そう声を掛けられると、もういいやと思ってその場から立ち離れたくなってしまう・・・。
もちろん、店員さんも悪気があって声をかけているのではないというのは百も承知。
それでも、あの声を掛けられる空気感が苦手な人は結構多いのではないでしょうか。
接客って難しいですね。
ただ、難しいだけで終わらせるのはもったいないです。せっかくなので、なぜ店員に声を掛けられたら店から出たくなるのか考えてみましょう。
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なぜ石田ゆり子さんのインスタが炎上したのか?
実際に投稿された、石田ゆり子さんの発言を見てみましょう。
相性、みたいなものもあるような気もします。そのときの気分もある。でも、手に取るものすべてを、それは~です それ、わたしも持ってます それは素材が~~…と それはやはりちょっと疲れてしまうんですね。つかずはなれず。距離を保つ。察する。というのはやはり必要かと思うのです。ふぅ~。
とかく好感度の高い芸能人というのは、我々一般人と違って影響力も強く、相当数のフォロワーが注目しているので、相当慎重に言葉を選ばなければ簡単に炎上してしまいます。
石田ゆり子さんは、全ての接客を否定するのではなく、ただ思った気持ちを素直に書いただけなのですが、一連の騒動を受けて反省されたようです。
その結果、問題となったインスタ投稿を翌日に削除されました。私個人的には削除しなくてもいいのに・・・と思ってしまいましたが。
石田ゆり子さんの投稿をアパレル店員の仕事を否定したと受け取られたのでしょう。一部のフォロワー、ユーザーから反論や批判のコメントが投稿されたのです。
インスタ炎上から接客を学ぶ
私はアパレル店員のように店頭で物を売る経験はありませんが、営業マンという意味では、お客様に商品を買って頂くので、共通の接客方法やモノの売り方があると思っています。
モノが売れない理由として、
・興味が無い
・お金が無い
・そもそも必要が無い
などが考えられますが、今回の石田ゆり子さんのインスタ炎上のケースには当てはまらないと思います。
興味が無ければお店に入りませんし、お金が無いわけがないでしょうし、必要の無いものなんて欲しいはずがありませんからね。
もう一度自分の経験を思い出してみます。
「そろそろ新しい服でも買おうかな。せっかくだしどんな服があるのかチェックしてみよう。」
そう、とりあえずどんな服があるのかチェックしているところに・・・、
「お探し物は何ですか?!」
「これ、今年流行の新作なんですよ!!」
「お客様にお似合いです!!」
「このシャツに合うジャケットはいかがですか?」
これって、アパレルあるあるではないでしょうか?
「声をかけるのが仕事」というコメントもあったそうですが、
モノ売りである私の立場からすると「お客様に喜んで購入してもらうこと」が仕事だと思います。
もし、私が店員から強引に売りつけられた結果、買ったとしても「買わされた・・・(買いたくないのに)」と、マイナス感情になるでしょう。
もちろん、自分が買う気マンマンであれば、率先して店員さんにプロとしてのアドバイスをもらうようこちらから声をかけますし、気になるのであれば試着もお願いします。
その商品が気に入れば、気持ちよくお金を出して買うでしょうし、店を出た後は、「あー、なんて良い買い物をしたんだ!!」と、1日テンションが上がるでしょう。
石田ゆり子さんだけでなく、私もそういうことがありましたし、皆さんも同じような思いをしたことがあるのなら、(お客様の空気を読み取らず)とりあえず声をかけるというのは、
お店にとって良い接客とは言えないのではないでしょうか。
「もうこの店には来ないわー」と思われたら、お店にとってマイナスですからね。
そういえばあの店の接客法は?
そういえば、ふと考えると、店員に声を掛けられずに気が付いたら結構な額の買い物をしている服屋さんがあります。
そうです。
ユニクロです。
マーケティングの神である柳井正さんが、ユニクロを世に出す時に徹底したこと、それは、
「お客様が自分で選べる環境を作る」ということです。
確かに、ユニクロでは店員さんから積極的に声をかけられることはありませんし、こちらが声をかけたら丁寧に対応してくれます。
お客様目線とお店側目線。
どちらがより良いお店なのかは敢えて言及しませんが、事実ユニクロは人で溢れかえっていますし、急成長して今や世界に進出する日本が誇る有名ブランドです。
柳井正さんの「一勝九敗」という本に、流行の入れ替わりが激しいアパレル業界において、なぜユニクロが同業他社との厳しい競争に打ち勝つことができたのかが書かれています。
アパレル業界にかかわらず、接客という名のつく仕事であれば「なるほどな1冊」になると思いますよ。
![]() 一勝九敗 (新潮文庫) [ 柳井正 ]
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まとめ
マーケティング業界では、「人は感情で物を買い、理屈でそれを正当化する」という有名な言葉があります。
私は最近、スマートウォッチを買いましたが、amazonの購入ボタンを押すまでは結構悩みましたが、結局「これはカッコいい!!」と感情のままに購入しました。
そして、買ったはいいけど、「あー、やっぱり別のスマートウォッチが良かったかな?」とか、「そんなお金があれば、スニーカー買っとけば良かったな」とか考えてしまうのですが、
スマートウォッチを買ってしまったことを後悔しないように、「いや、腕時計が壊れて新しいのが欲しかったから」というように、理屈で正当化するのです。
マーケティングは、売る方と買う方の心理的戦いなのです。
商品を売るのであれば、買う人の心理を知っていた方が断然有利です。
ちなみに男女の恋愛も同じようなことが言えます。
感情のままに、つい関係を持ってしまったけど、あの人が運命の人なんだ・・・、と自分に言い聞かせて、一夜限りの男性にいつまでも固執してしまう・・・。
心理学を悪用してはいけませんが、「人は感情で物を買い、理屈でそれを正当化する」というのは覚えておくと役に立ちますよ。
ちょっと話しが脱線してしまいましたが。
今回は、石田ゆり子さんのインスタのおかげで、自分の接客を客観的に見つめ直す良い機会となりました。
何事もそうですが、ただ批判するのは簡単ですし、ただ賛同するのも簡単です。自分が成長するためには、もう一歩踏み出して色々な角度から考えることが大事なのかもしれませんね。
あ、でも確かに自分のところに、石田ゆり子さんがお客様として来たのなら。自分から色々と話しかけ・・・。
いや、緊張して話しかけられないタイプです・・・(^^;)
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